社会保険労務士の1年間
開業社労士の1年間の実感値
私はここまで、社会保険業務の3号業務のことを中心に書いてきました。
ここまでお読みになってくださったかたの中には、『なぜコンサルティング業務のことばかり話すの?』と思われた方もいるかもしれません。
なぜかといいますと、開業社労士の場合、いわゆる1・2号業務(書類の作成と代理業務)の仕事には、閑散期があるからです
(少なくとも私の場合は)。
社会保険労務士の業務を年間通して見てみますと、4月~5月と8月は毎年必ず忙しくなります。4月~5月にかけては労働保険の年度更新があり、8月には社会保険報酬の月額算定基礎届が待っています。
この時期は、担当している顧問先の書類を一気に作成して役所に提出しなければなりません。仕事が集中するのでここは特に気が抜けないのです。
また月間ベースでは、給与計算を請け負っている場合は、こちらも毎月かならず決められた期日までに書類を仕上げる必要があります。
私の場合もこれらの収入が顧問契約料のベースになっています。
しかし、そう言ってはなんですが、これらの仕事はどれも物事を正確に処理する几帳面さこそ必要ですが、慣れてしまえばルーティン業務といえるものです。
1・2号業務としてほかには、社員さんが入・退社をする時の社会保険、
雇用保険の資格取得や喪失の手続き、それから離職票の作成などがあります。
また社員さんの病気やケガ、出産などにより発生する給付申請などもあります。それでどうでしょう、私の実感値なのですが、これらの業務についてはそれほど負担を感じていません。
申請など定型業務を終えた後の社会保険の問題は、ホワイトカラー系の中小企業ではそんなには発生しないというのが私の実感です。
このことは、企業に所属して働く「勤務社労士」か、私どものような「開業社労士」の働き方のちがい、また顧問先の業種のちがいなどにより変わってきます。
これは想像ですが、従業員数1000名を越えるような大きな会社で働く勤務社労士さんですと、毎月の給与計算や社会保険の手続きだけでも仕事が手一杯になるのでしょう。
またそのような会社には、社員さんも20代から60歳近い人までまんべんなく年齢層が揃っています。
ですから労災保険のことがよくわからない若い人からの質問や、ベテランさんからの厚生年金の支給額の確認など、質問もたくさん寄せられてくるでしょう。
そうなるとやはり1・2号業務が主で、3号業務のコンサルティング業務は、社内のベテラン社労士がそれ専門でやるということになってくるのだと思います。
しかし、我々開業社労士の場合はちがいます。
1~3号業務まですべてフォローせざるを得ません。
ですから年間のことを振り返ってみますと、先にのべた書類業務が集中する時期以外は、むしろ社内の労使の交通整理に精を出している実感が強いのです。